TECHNOLOGY技術・工法

インシチュフォーム工法

工法概要

インシチュフォーム工法は、既設管内に熱硬化性樹脂を含浸したライナーバッグを水圧により反転、または引込にて挿入後、温水あるいは蒸気にて樹脂を硬化させ、既設管路の中にまったく新しい管路を構築する工法です。
使用するライナーバッグは、柔軟性に富み既設管の形状にとらわれることなく、曲がった管路でも施工が容易です。さらに、耐久性・耐食性に優れているため管路の寿命を飛躍的に向上させることができます。

特長

1.管種や劣化の程度を問わず強度の向上が可能
管種に関わらず既設管のあらゆる劣化状況に応じて、内面の腐食対策から、管路の強度回復を含む全機能の更新更生(自立管)が可能です。さらに構築された興更生管は、伸縮性、曲げ性能を有し、途中に継手部のない一体構造管路となり、新設の既設管同等の強度確保が可能なため、耐震性の向上が可能です。
2.最適な工法の採用による優れたコストパフォーマンス
豊富な工法バリエーションと材料バリエーションにより最適工法を選定できるため、費用対効果に優れ経済的です。
3.あらゆる流体、形状、管径に対応
硬化した樹脂が新しい連続した管路を構築するため、下水・上水、農水・工業用水などあらゆる流体に適応。また、しなやかなライナーバッグは円形・卵形、馬蹄形から矩形断面まで既設管路のあらゆる形状に対応するとともに、100mm程度の小口径から2600mmの大口径まで施工できます。
4.流下・通水能力が向上
新設管路は既設管内面に密着するため断面ロスが少なく、粗度係数の向上により、流水能力を向上させることができます。
5.安定した品質を確保し、管路の寿命を飛躍的に向上(50年耐久性)
適正な圧力・温度管理の下に、温水または蒸気を利用してライナーパッグを硬化させるため、均一かつ高品質な管路を構築します。 新設管路は、50年後のクリープを想定して設計され、耐久性、耐薬品性の向上、ならびに既設管の腐食を防止し、管路の寿命を半永久的向上させます。
6.曲がり管路、長距離施工、短時間施工が可能
反転工法では鉛直や水平曲がりを始め、伏せ越し管路施工、継手部の段差施工が可能です。特に水圧反転工法では水の浮力、推進力を利用し、長距離施工に優位性があります。短距離のまっすぐな管路では、ライナーバッグを引込む形成工法、および蒸気硬化の選定により短時間での施工が可能となり、交通規制や断水時間を大幅に短縮することできます。
適用管種
鋼管、鋳鉄管、陶管、ヒューム管、石綿管、塩化ビニル管
用途
非飲料:下水・農水・工業用水
飲料 :上水・農水・工業用水等

標準工法

特長
既設管の腐食防止、クラックや部分欠損の補修により、管路の機能回復と耐用年数の向上を図る
また、既設管に作用する内外圧に対する全強度回復に適用
圧力
自然流下/低圧
形状・口径
円形/非円形 100~2600mm
板厚
4.5~69mm
材料
フィルム:ポリプロピレン
フェルト:ポリエステルフェルト
含浸樹脂:不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、
     エポキシ樹脂、ノンスチレン樹脂

LC工法

工法概要

LC工法は、高強力合成繊維と普通合成繊維(ポリエステル短繊維不織布)を積層した補強基材に、可視光線硬化性不飽和ポリエステル樹脂を含浸させた補修材を下水道管きょ内補修箇所の管内壁に密着硬化させて、本管および本管と取付管との接合部一体を部分補修する技術である。
工場で補修材を製作し、それを現場で補修装置に巻き付け、下水道管きょ内の補修箇所まで引き込み、空気圧で膨らませ、管内壁に加圧密着させる。その後、補修装置から補修材に可視光線を照射し、硬化させ、下水道管きょを管内部から部分補修する工法である。

技術の特長

1.施工性(本管部)

次の複合条件下で本管部が硬化時間25分で施工できる。

  • 1)20㎜以下の隙間
  • 2)15㎜以下の段差
  • 3)7°以下の屈曲角
  • 4)水圧0.05MPa、3L/min以下の浸入水
2.施工性(接合部)

次の複合条件下で本管と取付管との接合部が硬化時間25分間で施工できる。

  • 1)50㎜以下の隙間
  • 2)取付管部の有効高さ 最大150㎜以内
  • 3)水圧0.05MPa、2L/min以下の浸入水
3.水密性(本管部)
補修後の本管部の下水道管きょは、外水圧0.05MPaおよび内水圧0.1MPaに耐える水密性を有する。
4.水密性(接合部)
補修後の本管と取付管との接合部は、外水圧0.05MPaおよび内水圧0.1MPaに耐える水密性を有する。
5.耐高圧洗浄性
補修後の下水道管きょは、15MPaの高圧洗浄で剥離・破損がない。
6.強度特性

補修材の強度特性は、次の試験値を有する。

  • 1)曲げ強さの短期試験値    140N/㎟以上
  • 2)曲げ弾性率の短期試験値   9,000N/㎟以上
7.耐薬品性
補修材は、「下水道用強化プラスチック複合管(JSWAS K-2)」と同等以上の耐薬品性を有する。
8.硬化中の管内壁温度
硬化中の下水道管きょ内壁温度は、50℃以下である。

技術の適用範囲

管種 本管部 鉄筋コンクリート管、陶管
取付管部 鉄筋コンクリート管、陶管
硬質塩化ビニル管
管径 本管 呼び径 150~170
本管取付管一体型 本管部  呼び径 200~400
取付管部 呼び径 125~200
標準
補修幅
本管部 400㎜
取付
管部
高さ
有効高さ 最大150㎜以内
施工
可能
範囲
60m

ツインドリル工法

下水管渠の
リニューアル時代を迎えて

下水道マンホール内のステップは、硫化水素などにより年々金属腐食が進み、安全性の面から、ステップ(足掛金具)の取替えが早急に望まれていました。
この問題を「安全の確保」と「作業効率の向上」という一貫したテーマのもとに全く新しい形で解決したステップリプレイスメント施工技術が「ツインドリル工法」です。
マンホールという、危険を伴う作業環境において抜群の機動性を発揮しマンホール内の、削孔時における粉塵も殆ど無く健康面からも安心して作業に取り組めます。
小型で軽量設計は一人による作業を可能とし、その上操作も簡単なため作業効率もアップして工期短縮に大きく寄与します。